気  管  支  喘  息
     まず「喘息」という病気について

       現在、日本での喘息患者数は500万人〜600万人と言われており、その数は増加傾向にあります。
       以前は「何らかの刺激が加わったことによってセキがたくさん出て、気道が狭くなり、呼吸をするときに
       ヒューヒュー・ゼーゼーとなり息苦しい」という状態だけを喘息と言っていました。

       しかしこれは、「喘息の発作が起こっている」という状態で、発作が起こるには「気道の慢性的な炎症」
       というベースがあるのです。現在では「喘息発作」だけでなく「気道の慢性炎症」も含めて喘息といい、
       治療もそれぞれの改善を目標とした治療を2本立てで行っています。

       喘息は乳幼児からお年寄りまで誰でも発病することがあり、短期間の治療で完全に治ってしまうという
       病気ではありません。

       また肺気腫や肺炎・心不全などの合併症もありますし、喘息発作そのものが原因で呼吸困難に陥り
       短時間のうちに亡くなってしまうこともある病気でもありますが、きちんと自己管理をしていけば健康な
       人と変わらない生活が送れるようになるはずです。
     喘 息 の 原 因 は ?

       最も多い喘息の原因はアレルゲンです。

       アレルゲンとはアレルギーを起こす物質でホコリ・ダニ・カビ・花粉・人間やペットの毛やフケなどが
       あります。食品の中でもソバ・牛乳・卵・青魚などその方にとってはアレルゲンとなる物もあります。
       現代社会においては排ガスや住宅健材や家具に使われている接着剤や防腐剤などの化学物質が、
       特に小児の場合は原因となるケースが増えております。            

       しかしこれらの物はどこにでもあり、誰もが吸い込んでいる物です。だからといって誰もが気管の炎症
       を起こしたり発作を起こしたりはしていません。ということは、もともとアレルギーに対して敏感な体質
       があって、そこへアレルゲンが加わるとアレルギー反応を起こして喘息が出たり、人によってはアトピ
       ー性皮膚炎
アレルギー性結膜炎・アレルギー性鼻炎・花粉症といった症状となって現れるのです。

       昔に比べると環境が汚染され、私たちの身の回りにはアレルゲンがかなり増えております。その影響
       でアレルギー体質の方も増えています。アレルギー体質になると環境の影響でなかなか良くならず、
       小児喘息がそのまま成人型に移行することも最近では増えています。

       その他の喘息の原因としましては、天候や気候の変化・疲労や心労・ストレス・カゼ・急激な運動・
       タバコの煙・大気汚染などさまざまなことが引きがねとなります。

       アレルゲンにしても、その他の原因にしても個人差があり原因となるものは一人一人違います。
       また喘息は体調や体質によって現れる症状も回復力も違ってきます。自分自身の原因となるものを
       日頃からよく把握しておき体調管理に気を付けましょう。
     東洋医学(漢方薬)の喘息の考え方

      喘息における水毒(すいどく)の及ぼす影響

        漢方医学には「水毒」という考え方があります。人間の体の中には血液・組織液・リンパ液などの
        水分があり、その中から血液を除いた水分を「水」という概念で据えています。

        水分のバランスが崩れると「水毒症状」となって現れるのですが、水分が不足して発生する病気
        よりも、多過ぎるために水分が体内に停滞して発生する病気のほうがはるかに多いのです。

        冷たい飲食物の摂り過ぎや、近年では夏のエアコンの普及などで体が冷えるとさまざまな機能の
        低下が起こり、摂取した水分を順調に排出することが出来ず冷え・下痢・吐き気・めまい・むくみ・
        鼻炎・尿量減少・多汗などを起こします。また気管に溜まると喘息となり、タンとなってあふれ出て
        来るのです。

        水毒を治すには体全体のバランスを根本から整えることが必要です。

      「気(き)」 「血(けつ)」 「水(すい)」 という考え方

        「水毒」=「水」の他にも重要な生体維持の要素として「気」と「血」という考え方があります。

        この3つの「気血水」は単独の存在ではなく相互に影響しあって調整しており、どれか1つの流れ
        が悪くなるとそれが全てに影響し、体全体のバランスが崩れ病気が発生してしまいます。

        ★西洋医学的に表現してみると次のようになり理解しやすいかもしれません。

               「 気 」・・・・・・・・自 律 神 経
               「 血 」・・・・・・・・血 液 循 環
               「 水 」・・・・・・・・水 分 代 謝

        喘息と「気血水」の関連ですが、以前は喘息は「水」の流れの停滞によるものが多かったのです
        が、近年では「気」や「血」が原因となるものがかなり増えています。

        「気」つまりストレスなどにより心の状態が不安定になると、気道も敏感になり喘息を引き起こし
        やすくなります。子供が遠足や運動会の前日に発作を起こしやすいのは、このような事だと考え
        られます。

        「血」の場合は、「オ血(おけつ)」といって古い血が溜まって血行不良となり体のあちこちで機能低
        下を起こし、さらに現代では環境の悪化も加わり血液が汚れ(これも「オ血」の1つです)、免疫力
        をうまくコントロールできなくなっています。

        免疫力というのは、アレルギー物質などの害を及ぼす物質の体内への侵入を防いで守る防衛力
        のことです。通常は体を守ってくれるはずのものが、過剰に反応し自分の体も攻撃してしまうこと
        があります。これがアレルギー反応です。アレルギー反応には、鼻炎や花粉症・アトピー性皮膚炎
        などがあり喘息もその1つに入ります。

        このようにさまざまな不具合を改善し体の状態を良くするには、「気血水」の流れを良くし体全体の
        バランスを整えるという根治療をしなくてはいけません。

        漢方薬は全てをそういった考え方で処方しますので喘息治療に最適だと思われますし、免疫力ア
        ップにもつながり病気になりにくい体作りにもなり、アレルギー症状も解消されると考えております。
     喘息の方の食養生・生活養生                     

      食 養 生

       基本的には、脂肪分の多い揚げ物・肉類や、食品添加物を含む惣菜や冷凍食品よりも野菜を多く
       摂るようにし、バランスの取れた食生活を心がけましょう。

       ただ、ソバ・卵・小麦・青魚など体質的にアレルギー反応をおこすと分かっている食べ物や、お酒・
       コーヒーなどの刺激物、ジュース・アイスクリーム・ビールなどの体を冷やす食べ物、筍・わらびなど
       アクのある食べ物は避けなくてはいけません。

       また、食べ過ぎ飲み過ぎは内臓に負担をかけることになり、流れを悪くするので気を付けましょう。

      生 活 養 生

       日頃から適度な運動を心がけ、過労やストレスをためないようにして睡眠を十分にとりましょう。

       アレルギー体質の方はアレルゲンとなる物をできるだけ身の回りから減らすように工夫しましょう。
       例えばペットはなるべく飼わないようにしダニやホコリなどを取り除くために掃除をきちんとしましょう。
       建築用などの化学物質にも気を配りましょう。

       そして積極的に体を鍛えておくことも大切です。
       家庭でできる鍛錬法としては乾布摩擦があります。毎日続けることが精神的にも規則正しい生活の
       基礎となり、カゼなどの病気にかかりにくくなると共に喘息の予防にもつながります。
     喘息に良い漢方薬代表的処方
免疫力・治癒力向上には、漢方薬が最適です。

しょうせいりゅうとう
小青竜湯
まきょうかんせきとう
麻杏甘石湯
けいしかこうぼくきょうにんとう
桂枝加厚朴杏仁湯
さい  ぼく  とう
柴 朴 湯
しん   ぴ   とう
神 秘 湯
りょうかんきょうみしんげにんとう
苓甘杏味辛夏仁湯


上記以外にも喘息の漢方薬はたくさんありますので、ぜひ一度ご相談下さい。
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