カ    ゼ
■カゼの原因・・・免疫力との関係

外的な原因としては、9割ほどを占めるウィルスと少数の細菌や寒さ・乾燥などがあります。
けれども、それ以上に重要な原因となるのが内的な原因、つまり「免疫力」という自分自身の体調や抵抗力の強さです。免疫力が低下する原因としては、疲れ・睡眠不足・血行不良・ストレス・運動不足・栄養バランスの悪さなどがあり、そこへ外的要因が加わるとカゼをひいてしまうのです。

普段から疲れやストレスをためないようにし、運動もして身体のバリア力を強くしておきましょう。
■カゼをひく・・・のど痛、セキ、クシャミ、鼻水、発熱・・・なぜ?

普通のカゼは、他人のセキやクシャミなどから飛び出したウィルスの飛沫感染でうつります。

ウィルスはまず、鼻・のどの奥の粘膜に取り付きます。体調が整っている時は粘液がたくさん分泌され、ウィルスを洗い流し、せん毛細胞がほうきで掃きだすように鼻水・クシャミなどで身体の外へ追い出してくれます。
ところが鼻やのどが乾燥したり、疲れ・ストレスがたまっていたり免疫力が低下していたりすると、ウィルスを追い出すことができずカゼをひいてしまうのです。血液中の白血球やK細胞は体内に入ったウィルスと戦うと同時に、「発熱しろ!!」というサインを出します。体温を高くすることによってウィルスの増加を防げたり、免疫物質が活発に働いてウィルスを攻撃しやすくなるからです。

このように人間の身体には免疫システムがあり、カゼを治そうとします。
漢方薬はカゼに限らず、体力や症状に応じて免疫力を高めることによってカゼのような急性病でも早く効くことになります。
■カゼ薬と抗生物質

かぜをひいて病院へ行きますと抗生物質を出されることが多いのですが、抗生物質は「細菌の増殖を抑えたり殺菌する薬」のことですので、原因の9割以上を占めるウィルスに対しての抗生物質の効果はありません。
そればかりか抗生物質は良い働きをする菌までも消滅させてしまい、ショック症状や下痢などの副作用が出たりもします。
また細菌自体もどうにかして生き残ろうとどんどん強くなり、さらに強い抗生物質が必要になり、またさらに強い細菌が生き残り・・・といったようなことになりかねません。

安易な抗生物質の濫用はこのような耐性菌の出現につながりますので、医師とよく相談し使用するようにしましょう。
■カゼとインフルエンザの違い

カゼとインフルエンザとを混同していませんか?
セキや鼻水が出たり、発熱したり、似ているようにも思われがちですが、やはり、普通のカゼとインフルエンザとは別のものなのです。

カゼは、比較的弱いウィルスにより体力・免疫力の低下している時に感染しカゼ症状をおこします。
インフルエンザは、伝染力の強い強力なウィルスによって感染し、人間の体力・免疫力では対応しきれなくなり症状もひどくなります。

また、インフルエンザは流行性疾患ですので、一旦流行が始まると、短期間に乳幼児から高齢者までの多くの人が発症するという特徴があります。
感染方法 主な症状
カゼ セキやクシャミからの飛沫感染 のどの痛み・鼻水・クシャミ・セキなどが中心の
上気道症状がメインで全身症状はあまりない。
インフルエンザ
(A型・B型・C型)
セキやクシャミからの飛沫感染 悪寒や頭痛などがあり、急に38℃以上の高熱で発症する。
関節痛・筋肉痛などの全身症状が強く、あわせて普通のカゼと
同様、のどの痛み・鼻水・セキなどの症状もあります。
さらに気管支炎・肝炎・中耳炎・熱性けいれんなどの症状もあります。
■最近のカゼ

「カゼ」とは医学的には「風邪症候群」と言われずっと昔からあり、私たちにとっては身近な?病気です。昔からあるカゼですが、最近、特にここ数年程の間にその質が変わってきているように思われます。

以前は、冬のカゼといえば寒さによる鼻水・鼻づまり・悪寒・発熱となるパターンが多かったのですが、最近では1年を通して冬でもアレルギーっぽい、熱っぽい症状を訴えられる方が増えております。
欧米型の食生活・運動不足などによって身体の中に熱を持った炎症を起こしやすくなっているために、このような症状がでるのだと考えられます。

「時代の流れ」と言ってしまえばそれまでですが、「炎症がおきやすい」という症状は決して良いものではありません。炎症が起きやすいということはアレルギーに限らず、ガン・生活習慣病などにもなりやすいということです。

今一度、日本人に合う生活習慣を見直してみてはどうでしょうか?
■カゼと漢方〜カゼの進行と症状の変化〜

漢方では病気の進行していく様子を捉える時に「三陰三陽」という6つの証(病気の状態)に分類します。
三陰三陽とは太陽病で始まった病気が少陽病→陽明病→太陰病→少陰病→厥陰病と進行して弱っていく様子を表しており、病気が進行していくにつれ症状も変化し、それに伴い漢方薬も変わっていきます。

その時々の状態を見たり聞いたりしてそれぞれの体力に応じ、それぞれに有効なお薬を処方しますので確実・安全で治りも早いということになります。
ーーーーーーーーー→カ ゼ の 進 行ーーーーーーーー→
陽病(熱症状を伴う) 陰病(冷え症状を伴う)
       しょう
6つの証
たいようびょう
太陽病
しょうようびょう
少陽病
ようめいびょう
陽明病
たいいんびょう
太陰病
しょういんびょう
少陰病
けっちんびょう
厥陰病
症状の部位 体表→
(頭・肩・背)
咽からみぞおち
  あたりまで←
お腹→ お腹→ 全身症状→ 全身症状→
症状 ・悪寒  ・クシャミ
・発熱  ・鼻水
・頭痛  ・のど痛
・悪風  ・のどセキ
・関節痛
・口苦
・口渇
・吐き気
・胸セキ、タン
・身熱あり
・食欲不振
・腹満
・便秘
・身熱あり
・冷え
・疲れやすい
・食欲不振
・腹満、腹痛
・時に下痢や嘔吐
・冷え
・食欲不振
・気力がない
・下痢しやすい

・のど痛
・関節・筋肉痛
・冷え
・脱水症状
・下痢
・食べれない
・体力・気力が
  極度に低下
じっしょう
実証
(丈夫な人)
・麻黄湯
・葛根湯
・駆風解毒散
・銀翹解毒丸
・大柴胡湯
柴胡湯

・柴朴湯

・半夏瀉心湯
・承気湯 類
・大黄甘草湯
きょじつちゅうかん
虚実中間
・桂麻各半湯
・小青竜湯
・柴胡桂枝湯
きょしょう
虚証
(虚弱な人)
・桂枝湯
・桂枝加葛根湯
・香蘇散
・参蘇飲
・柴胡桂枝乾姜湯
・麦門冬湯
・桂枝加芍薬大黄湯 ・桂枝加芍薬湯
・小建中湯

・人参湯
・大建中湯
・麻黄附子細辛湯
・真武湯
・四逆湯
・四逆加人参湯
※実証は丈夫な人が多く、虚証は虚弱な人が多く、病気の進行は虚証の方が早く進みやすいです。
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